学資保険の変戻率は数字マジックだらけの罠。実際どのくらいは得するのか?

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そもそも学資保険はおすすめしない

『子供の教育資金をどうやって準備しようか?』と考えたときに学資保険は1つの選択肢ではあります。

学資保険には【教育資金を貯める】のほかに【万が一、一家の大黒柱が亡くなったときに保険がおりる】【子供が入院した際に補償がある】などの保険もあるので、家庭環境によって必要性も異なりますが、【教育資金を貯める】という目的であればあまりおすすめできません。

保険会社というのは不安あおって加入を勧めてきます。

特に子供ができて守るべきものができた人たちにとって保険会社の勧誘はぐらっと心動かされるものです。

しかも学資保険は一度加入してしまうと、満了まで払いきらないと必ず損がでる仕組みになっています。加入は自由ですが、加入前にしっかり勉強して後悔だけはしないようにしておきたいものです。

変戻率は現実的には高くない

学資保険を検討している人の中には『変戻率』に魅力を感じている人がいるのではないでしょうか。

銀行にただ預けていても全然お金が増えない時代なので、元本が保証されながらお金を増やせることができることは耳障り的にはとても魅力的です。

『銀行から預け替えるだけで105%かえってくる、さらに死亡保険もついてくるなら!』と思いますが、

保険会社が105%とうたっている変戻率は『条件を限りなく変戻率が高くなるようなものにした場合』の極端な例です。

契約者の年齢が若くて(20代)、満期の時期が遅い(22歳満了)、払い込み期間が短い(10年など)とすべてあまり現実的ではない想定での話です。

↓変戻率が高いことが売りの某学資保険、変戻率が106.3%と一見高く見えます。

この条件の変戻率をもらうには契約者が若いこと(20代)、保険期間が22年間と最長、保険料払い込み期間が10年間と短いという非現実的な設定です。

これでは、学資保険の数少ないメリットの1つである『加入者が契約途中で死亡や高度障害者になった場合であってもその後の支払いが不要、満額受け取れる』という保証期間が10年だけになってしまいます。

加入者の年齢は同じ条件で合っても(20代)、保険期間が一番お金が必要になる大学入学前に受け取れる満了月に設定(17年間)、保険料払い込み期間が毎月コツコツ17年間と現実的な設定にすると変戻率はたったの101%

上記の条件で加入者年齢を40代にすると100.2%とほぼ増えません。

上記は変戻率がもっともよい保険商品での計算の例です。

コツコツ毎月積み立てる設定では元本割れするような学資保険も多いです。

増えるお金は普通預金と変わらない

それでも元本が保証されている、死亡保険もつく、ほんの少しでもお金が増えるのであれば、学資保険を検討する人もいるでしょう。

よく比較にあげられるのは、

同じ元本保証があるメガバンクの普通預金の『金利 年0.001%』です。

学資保険の変戻率は現実的にはいいものでも101%~103%といったところでしょう。

パーセンテージでみると学資保険のほうがかなり優秀に思えますが、金利と変戻率はまったく別物ですので、一緒にして考えてはいけません。

【金利】
元本 × (金利)% = 利子
【変戻率】
受取総額 ÷ 支払保険料総額 × 100

同じ金利と変戻率は同じ条件で比較しなければなんの意味もありません。

今回は現実的な条件で普通預金と学資保険の変戻率を比較してみることにします。

【条件】

某学資保険
・・・契約者は20代。17歳満了。満了時に200万円を受け取ることができるプラン。毎月の保険料は9,700円。

普通預金
・・・メガバンク 年利0.001%の普通預金。毎月9,700円を17年間積み立てる。

普通預金(メガバンク)の場合はシュミレーションツールで簡単に計算することができます。

金利0.001%では毎月9,700円積み立てても、最終的に197万8,967円になりますので、学資保険のほうがまだいいです。

それでも最終受取額は21,033円しかかわりません。

学資保険は途中解約してしまうと確実に元本割れをしますが、普通預金は元本保証されます。

人生何があるかわからないので収入減や緊急に大金が必要になることもあるかもしれません。

たった、2万円を増やすために途中解約リスクを取るのはナンセンスではないでしょうか。

これは普通預金でももっとも金利が低い例です。

ネット銀行であればもう少し金利がよいものがあります。

あおぞら銀行であれば、普通預金金利は0.2%です。

金利0.2%の普通預金で考えると最終積立金額201万2,654円とあおぞら銀行の普通預金のほうが増えます。

普通預金の場合ここから税金も取られますが、税引き後も200万5,601円と手元に残るお金は学資保険より多いです。

理解ができない!22歳満了の学資保険

学資保険とは、『学資』という言葉を調べますと下記の意味のようです。

【学資】・・・学問の修業に必要な費用。また、その金。

多くの場合、大学の費用が一番お金がかかりますので、大学費用の準備に学資保険の検討をするのが普通ではないでしょうか。

大学でお金がもっとも必要なのは、入学が決定した際の入学金とはじめの授業料の支払いをする17歳~21歳の頃です。

少し考えれば分かると思いますが、ほとんどの大学、学部が4年制なので、22歳というのは大学を卒業する歳で社会人1年目の年にあたります。

22歳の満了時期にお金を受け取れる制度になんの意味があるのでしょうか。少なくとも【学資】保険ではありません。

保険営業は『就職するのに一人暮らしの準備をしたりなにかとお金がかかるので

』と説明するようですが、

必ずしも子供が就職すると同時に家をでるとは限りませんし、そんなことよりもまず大学資金のほうが確実に先に大きな金額が必要になりますし、そちらを優先して備えるのが通常でしょう。

一人暮らしの準備に必要なお金はせいぜい100万円程度。

大学資金と違って節約も可能です。

大学費用を準備した後、子供が大学に入学してから考えても遅くないですし、

最悪の場合、大学生なら自分でバイトなりして準備してもらってもいいのでは?

そんな不確定な資金の準備よりもまずは大学の費用です。筆者には22歳満了の学資保険の存在意義がわかりません。加入する人が何を考えているのかもまったくわかりません。

加入期間が長いため、変戻率も高くなりますし、22歳になるまでに加入者である親が死亡等した場合は支払い免除にはなります。

変戻率に魅力を感じているのであれば、学資保険なんかより割りのいい投資商品はいくらでもありますし、学資保険である必要は全くないです。

子供が独り立ちするまでの保険として考えるにもライフスタイルはどんどん変わる中、途中解約がしにくい学資保険で備えるのはナンセンスです。

これは予想ですが、

積み立て期間が長いと変戻率が大きくなるので、少しでも長い期間の保険商品を作って、見栄えをよくする(最大〇〇%の変戻率などの広告がだせる)ためでしかないと思います。

※契約者の年齢が若いこと、保険期間が長いことで変戻率が上がるので、広告の見栄えが良くなる。注意書きをよく見ると書いてあることが多い。

 

 

 

学資保険を検討するときは自分に合った条件で算出必須

上記のように22歳満了で考える、広告に書かれている変戻率を参考にして加入を検討するのは非常に危険な行為です。

まずは自分のライフプランに置き換えて冷静に計算してみるのがいいです。

それでも学資保険に魅力を感じる人は少ないと思います。

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