無痛分娩で医療処置フルコースの出産になった話
私は初めての妊娠、出産に挑みましたが『お金で痛みを解決できるなら、無痛分娩でしょう!』と無痛分娩を希望して出産しました。
無痛分娩には賛否両論ありますので、迷われている人も多いと思います。
実際に危険なお産になってしまいましたが、参考にしていただければ幸いです。
▽実際に筆者がサインした無痛分娩の同意書
計画部通分娩のはずが、先に破水
筆者は出産した日の2日前に38週の検診がありました。
その際に子宮口を確認したらガチガチ
『まだまだお産が始まりそうもないですね~。39週の検診で計画分娩の日程を決めましょう』という話だったのですが、
38週4日目に自宅で寝ていたら破水し、陣痛促進剤を入れて急遽出産することになりました。
筆者の産院は無痛分娩は計画分娩で行い、計画日より前にお産が始まってしまった場合、麻酔医が出勤していて手が空いていれば無痛分娩を行うことができますが、休みの日だったり、忙しい日の場合はできないというシステムでした。
筆者が破水してしまった日は、麻酔医は出勤しているもののほかにも同時にお産が進行している人が多いらしく『誰か1人でも出産が終わったら麻酔できる』とのこと。
誰でもいいからお産が終わってくれることを願いつつ、陣痛に耐えることになりました。
陣痛はめちゃくちゃ痛い!!
麻酔が入れられることがなく、どんどん陣痛は進んでいきます。
軽い生理痛→重い生理痛→つらい下痢と日常でも感じたことのある痛み程度ではありますが、陣痛はどんどん痛くなっていきます。
お腹にまかれた張りメーターはマックスの100を振り切るようになったときは、すでに子宮口は8センチまできていました。
この時点でも、もうこれまでの人生で体験したことがない痛みです。
あえてなにかに例えるとしたら、とんでもない下痢で早くトイレに駆け込みたいのに使用中で30分くらい待たされている絶望感。この痛みが10分おきに襲ってきます。
痛みに耐えるのに体をよじらないと無理、声も自然に出てしまう状態。
無痛分娩開始その効果は?
このあたりでようやく麻酔医の手が空き、無痛分娩の麻酔が入れられることになりました。
人生で初めて、脊髄から麻酔を入れられることになりました。すでに陣痛で苦しんでいるからか、背中に冷たいものが通る不思議な感覚はありましたが、特に痛いと思うことはありませんでした。
麻酔が投入してから効いてくるまでは約20分。しばらくまだ痛い状態は続きましたが、徐々に痛くなくなり、軽い生理痛以下の痛みになりました。
『出産しながらゲームができる』と噂には聞いていましたが、まさにその状況になり感動しました。
麻酔が入ってはからはかなり快適でした。
コロナウィルスの影響で立ち合い出産ができなかったのですが、ラインで夫とやり取りをしたり、助産師さんと談笑したり、出産中とは思えないほど穏やかに過ごせました。
麻酔の効き目は想像よりも短くて1時間くらいで効果が切れ痛くなってきます。
痛くなってきたことを伝えると助産師さんが麻酔を追加してくれるのですが、効いてくるまで20分くらいかかるので、痛くなってから追加をお願いするとしばらく痛みに悶絶することになりました。
麻酔の追加の依頼は少し早めにすることをおすすめします。
長引くお産
隣の分娩室でも同じタイミングでお産が行われてたようですが、そちらからは殺人現場並みの叫び声が聞こえてきて、無痛分娩にしてよかったなとこの時は心の底から思っていました。
午前5時に分娩室に入ったのに、この時に午後3時になっていました。
まだまだ産まれる気配はありません。隣の分娩室はすでに2人妊婦さんが入れ替わり出産が終わっていました。
それでも赤ちゃんはだんだん降りてきていたみたいで、助産師さんが指で赤ちゃんの髪の毛に触れられるほどの位置にはきていました。
痛くなってきたので『麻酔を追加してください』とお願いしましたが、『もう出口に近い場所にいるからあまり麻酔が効かないの』と言われました。
無痛分娩でも出口に近くなると効きがあまりよくないようです。
それでも痛みは重い生理痛程度なので、我慢できる痛みです。
このあたりからぱったりお産が進まなくなってしまいました。
筆者の主観ですが、初産でいきみ方がまったくわからない上に、麻酔が効いてて体に力を入れる感覚がおかしくなっていました。
『初産は無痛分娩をおすすめしない、病院によっては禁止している』というのはこのためなのかなと思いました。
吸引分娩、会陰切開、産道裂傷のフルコース
分娩室に入ってから14時間、まだ産まれません。
ついに『吸引分娩に切り替えます。次の陣痛のタイミングでいきんで出します』と指示され、2回失敗しましたが、3回目でするんと産まれました。
会陰切開もされました。電動のこぎりのようなもので『ぶるるるる』と思いっきり切られたような音は聞こえましたが、痛みはまったくありませんでした。
産道裂傷もあったようで、産後すぐに縫われましたが、こちらも痛みもなし。
痛みは本当に軽減されて体力的な負担は少なかったのですが、吸引分娩、会陰切開、産道裂傷のフルコースのお産になったのは無痛分娩が原因の可能性はゼロではないと思います。
大量出血で転院することに
出産後、いろいろとあと処置をしてもらっている最中に、医者と助産師さんがバタバタとし始めました。
筆者は体力的にかなり元気だったので『????』といった感じだったのですが、筆者はお産でかなりの量の出血があったようでした。
計量できただけで1.5L、ガーゼなどで拭った血液を含めるとおそらく1.6Lはあるのではないかと言います。
正常値は500mLなので、おおよそ3倍の出血があったようです。
なにが一番驚いたかというと体が全然しんどくなくてぴんぴんしていたことです。
筆者が出産した産院は通常分娩のみを取り扱いする病院でしたので、『出血が多いので、念のために大病院に移動しましょう』と言われ、救急車で移動することになりました。
救急車に乗り込む際も、自分で立って移動しましたし、元気だったのですが駆け付けた夫が号泣してました。
『大げさだな~、それか赤ちゃんが生まれて感動しているのか?』と思ってたのですが、
夫に対しての転院の説明は『もしこれ以上傷口が開いて出血があると命の危険がある』と言われてたらしいのです。
自分がそんな状態に置かれているとは知らずに、救急隊員さんに『移動したくないな~』とへらへらしてました。
この話とは別に移動先の病院でひと悶着あった話
>>【体験談】緊急搬送された病院に差額ベッド代を取られそうになった話
移動後、大量出血の処置
大病院に移動しいろいろ診察されましたが、輸血の必要はないこと。
鉄剤を入れらて、1日安静にしたらすぐに元の産院に戻ることができました。
出産によりランナーズハイ状態なのか、麻酔が効いているからなのか、しんどいとはあまり感じませんでした。
『無痛分娩は出産後の回復がはやい』ということを実感しました。
実際に、予定通り4泊5日で退院もできました。
出血で命の危険、無痛分娩の影響?
医師曰く『無痛分娩だったから大量出血したとは考えにくい』といいます。
これは素人の筆者の考えですが、妊娠中期の診察で『一応正常の範囲に収まってはいるけど、低置胎盤になるかもしれない』と言われていました。
低置胎盤だと、出産の際に出血が多くなりやすいため、計画帝王切開で出産するのが一般的なようです。
まだ妊娠中期だったので、今後変わってくる可能性があるとのことで様子見になり、そのまま普通分娩をすることになりました。正常範囲ではありますが、胎盤の位置が低めであったことは間違いないと思います。
自然分娩をしていても、大量出血、吸引分娩、会陰切開、産道裂傷のどれも起きていたかもしれません。
原因は不明。しかし、どうしても『無痛分娩にしたから異常が起きてしまった』と考えてしまうものです。
夫のこの考えで『無痛分娩だから死にかけたんだ!』と思っているようです。
2人目は無痛分娩にするか?
もし、2人目は無痛分娩にしますか?と聞かれたは答えは絶対に『YES』
子宮口8センチとはいえ地獄の痛みでした、無痛分娩費用は10万円でしたが、あの痛みから逃れられるのであれば10万円くらい喜んで払います。
大量出血などいろいろありましたが、必ずしも無痛分娩のせいだとは考えられないと思います。
しかしながら、この一件で家族は完全にアンチ無痛分娩になってしまったので、家族の心労を考えると自然分娩にしたほうがいいのかなととも思います。
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